私語は非常識だった [社会]
全国の大学が学生たちの私語に悩まされるようになったのは昭和四十年頃からである。はじめは女子学生に多かったのが、たちまち男子も感染し、男女の共学の実をあげるようになった。
~中略~
そういう人たちが社会の中堅になって、選挙で選出した議員たちである。本会議が始まっても私語を止めないのはむしろ当然のことで、驚く方がおかしいのである。しかし、やはり名誉な話ではない。
人が話しているときに口をはさんではいけないのは常識である。すこし改まったところなら、発言者の話の終わったところで、司会者の許可を得て発言する。途中でさえぎるようなことを口走ったりするのはたいへんな無礼である。
いまはそれがだんだんわからなくなっている。
日本語の作法
外山 滋比古 (著)
新潮社 (2010/4/24)
P43
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