干拓行政 [社会]
「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約(ラムサール条約)」が採択されたのは一九七一年。国際的な渡り鳥条約はあった。
ところが、その鳥たちの生活基盤である湿地の生態系は世界各地で脅かされていた。その危機感から生まれたのがラムサール条約だった。
~中略~
人を寄せつけなかったからこそ、湿原には多様な生命が宿り、豊かさが保たれていた。ところが、湿原への高い認識と比べて、干潟への認識が、日本では依然として低いままだ。
干潟は湿原よりはるかに人の生活と密接なかかわりがあることから、政治は今でも干潟を人のために利用しようと、干拓行政を進めている。
自然の歩き方50―ソローの森から雨の屋久島へ
加藤 則芳
(著)
平凡社 (2001/01)
P139
タグ:加藤 則芳
コメント 0