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安来 [雑学]

安来平野には南の方の中国山脈から、伯太(はくた)川と飯梨(いいなし)川が流れて野をうるおしつつ、中海に入っている。
この河川の上流の山々―とくに出雲・伯耆(ほうき)の国境付近―が、古来、良質の砂鉄を出すのである。~中略~
中国山脈は山陽道の側も古来砂鉄を出しつづけてきたが、質は伯耆国境のそれに劣っている。この方面の砂鉄は、おもに農具にむけられ、また熔かして鋳物用にもちいられたりしてきた。
 古来、精妙な鋼(はがね)の材料になってきたのは出雲砂鉄であり、とくに伯耆国境のそれである。
この出雲砂鉄が鋼塊のかたちにされて山から海岸へ運び出され、この安来港にうかぶ和船に積みこまれて全国に送られた。江戸期、安来の栄えは、鉄によるもので、そのにぎわいは安来節の古い歌詞の、  安来千軒 名の出たところ  社日桜十神山(とがみやま)  に、しのぶことができる。

街道をゆく (7)
司馬 遼太郎(著)
朝日新聞社 (1979/01)
P209

島根県安来市 清水寺

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