内なる声を聞こう [ものの見方、考え方]
これはあんまり確かじゃないけれど、現代は注意を払わなければならないような外界状況の変化が非常に増えている結果、人の脳はもっぱら外側に注意をたくさん向けざるを得ないようになっている。
だから脳が苦しいとか楽だとか、怒り、嫌だとかいうような、脳を含めた身体のコンディションの判定のほうに注意を向ける余裕が非常に少なくなっている。
それで瞑想とか、フォーカシング(哲学者であり、ロジャーズ派(来談者中心療法)の心理学者でもあるユージン・ジェンドリンが開発した心身の内面に注意を向ける技法。)とか、黙ってじっと座るとかいうような形で、外側にばかり向けていた注意を内側に向ける生活習慣を、健康法としてどこかに取り込む必要があるんだと思うの。
それが心を健全にするというのではなくて、危険を察知して、「こうしようよ」とか「ちょっと休もうよ」とか「こうしてみたいね」とかいう内なる促し、内側から出てくる声、「うちなる促しは神の声である」と言いますが、それを受取ろうとする姿勢を生活の中でどこか部分的に持つようにするのがいい。
神田橋 條治 (著), 黒木 俊秀 (編集), かしま えりこ (編集)
創元社; 初版 (2013/9/3)
P108
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