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競争が好きな奴が昇進する  [処世]

  技術革新によって、男女間の体力差がそれほど重要でなくなってきたのに、なぜ男女間で昇進格差が残っているのだろう。
企業が厳しい競争にさらされているならば、わざわざ能力の低い男性を能力の高い女性より昇進させることをしないはずだ。そんなことをすれば、優秀な女性に活躍の機会を与えたライバル企業に負けてしまうからだ。
~中略~
同志社大学の川口章教授の研究によれば、女性雇用比率が高いほど企業の利潤が高く。革新的な経営手法を取り入れている企業ほど女性社員が活躍し、企業のパフォーマンスがいいそうだ1。
つまり、男女間格差の多くの部分は、ワークライフバラランスに配慮した人事政策をとることで解消される可能性も高い。しかし、そうした環境整備を行ったとしても残る男女間格差があるかもしれない。
 男女間の昇進格差を説明する仮説として、経済学者の間で近年注目を浴びてきているのが、昇進競争に参加することを嫌う程度が男女で違うのではないかという仮説である。つまり、競争に対する嗜好に男女差があって、それが高賃金所得を得る職業に就く比率に男女差を生み出す原因となっているというのである。

競争と公平感―市場経済の本当のメリット
大竹 文雄 (著)
中央公論新社 (2010/3/1)
P27

 

 DSC_4268 (Small).JPG

P35
 競争への好みの差が「ガラスの天井」の原因であるのなら、どんなに機会が平等になっても、男女間の昇進格差や所得格差は残ることになる。

P41
 男女の間の競争に対する選好の差は、一部は性ホルモンといった生物学的要因に起因していそうだが、マサイ族とカシ族の差や共学と女子校の差、競争相手の性別による差などの研究結果をみると、文化的な要因による差のほうが大きそうだ。


タグ:大竹 文雄
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