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コンプレックスが人を突き動かす [ものの見方、考え方]

  「スリッパの法則 プロの投資家が教える「伸びる会社・ダメな会社」の見分け方」(PHP研究所)という本がある。その著者で投資家でもある藤野英人氏は、投資検討中の企業を訪問したときに、「この社長はどういうコンプレックスに突き動かされているのか」ということをまず分析すると述べる。
 藤野氏によれば、リーダーを目指す人は、だいたい過去にコンプレックスを持っていることが多いというのだ。経歴を調べてみるとなぜか社会人になる以前の経歴が不明だったり、親しくなってもなぜか家庭の話をいっさいしなかったり、ということがよくある。
 自分の容姿に長年コンプレックスを抱いていて、女性にモテなかった過去から、いつか見返してやろうと努力を続け、その結果人が羨む大成功を遂げた経営者も少なくないという。しかしいくら功成り名遂げたとしても、コンプレックスそのものはいつまでも解消されない。そのため彼らは、さらなる成功を目指して突き進んでいくのである。
 こうした心理は経営者に限らず、あらゆる世界のリーダーに共通する感情かもしれない。
 ハロルド・ラスウェルという政治学者は、著作の「権力と人間」(東京創元社)の中で、「どのような人間が権力者を目指すか」という研究成果を発表した。それによれば、政治家の多くが幼少期に、権力に無理やり屈服させられたような嫌な記憶を持っており、その反動で自分が権力者になることを目指すのだという。
望みを挫折させられて、その恨みを社会に晴らすために政治権力を握ろうとする人が多いそうなのだ。

僕は君たちに武器を配りたい
瀧本 哲史 (著)
講談社 (2011/9/22)
P203

 

 

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タグ:瀧本 哲史
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