勝って兜の緒を締めよ [処世]
得意の物件はオ懼( おそ)る可くして、喜ぶ可からず。
失意の物件は、慎む可くして、驚く可からず。
「 言志耋録」第三二条
佐藤 一斎 著
岬龍 一郎 編訳
現代語抄訳 言志四録
PHP研究所(2005/5/26)
P199
自分で得意と思っていることは、じつは恐ろしいことであって、決して喜ぶことではない。
逆に、物事が思うようにはかどらない失意の時は、慎まなければならないが、決して驚くことではない。
鍛錬するよいチャンスである。
分に非ざるの福(さいわい)、故なきの獲( えもの)は、造物の釣餌( ちょうじ)に非ざれば、即ち人世の機阱( きせい)なり。
此の処、着眼高からざれば、彼の術中に堕ちざること鮮(すくな)し。
洪自誠
守屋 洋 ( 著), 守屋淳 ( 著)
菜根譚の名言 ベスト100
PHP研究所 (2007/7/14)
P83
分に過ぎた幸運、理由のない授かり者は、神様の誘いの餌か、あるいは人生の落とし穴だ。
よほど志を高くして対処しなければ、たちまち彼らの術中にはまってしまう。
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