気のせい食品 [雑学]
コラーゲンたっぷりの高価なふかひれを食べた翌朝、お肌がプリプリになったと感じる者は幸いである。
薬効成分を全く含まないが薬剤の形状をした偽薬(プラセボ)を投与されても、それが偽薬だと知らされない限り薬効が現れてしまうおめでたい人々というのが、どんな実験を行なっても必ず少なくない数、現れる。多いときには三割、四割も。これをプラセボ効果という。
それほどまでに人間の身体は信じやすい。そして、プラセボ効果もまた立派な効果である。
売る人買う人それぞれ納得がもたらされるのであれば何の問題もない。福岡ハカセとて、そういうところに駆け寄ってまで諫言するほどの検非違使根性を持ち合わせておりません。
おしなべて機能性食品と呼ばれるもののほとんどは「気のせい食品」であると私は思う。
福岡 伸一 (著)
ルリボシカミキリの青
文藝春秋 (2010/4/23)
P119
ゼラチン質の多い料理を、「コラーゲンたっぷりですよ」とすすめられることがあります。また、肌や関節に効果があるとして、コラーゲンのサプリメントも売られています。
しかし、コラーゲンは口から食べても効きません。口から入ったコラーゲンは、消化されてすべてアミノ酸に分解されます。アミノ酸に分解されてから吸収するので、もはやそこにコラーゲンはありません。
脂肪を食べたらお腹の脂肪が増えるわけではないのと同じように、コラーゲンを食べたら体内のコラーゲンが増えるということはありません。私たちの体内にあるコラーゲンは、すべて体内で合成されたものなのです。
医者が教える食事術 最強の教科書――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68
牧田 善二 (著)
ダイヤモンド社 (2017/9/22)
P211
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