健康のために食生活上で注意すべきこと [養生]
それでは健康のために食生活上で注意すべきことはなんなのでしょうか。
これについての世界中の保健担当機関の見解は一致しています。多種多様な食品からなるバランスのとれた食生活を送ること、です。
必要なエネルギーや各種栄養が摂れ、健康的な体重が維持でき、特定のものに偏らない食生活がもっとも望ましくかつ多くの人にとって実現可能なものです。
「多種多様」とは、食材のバラエティーもさることながら、産地や製造方法、調理法などのあらゆる点で多様であることが結果的にリスクの分散につながるのです。
畝山 智香子 (著)
ほんとうの「食の安全」を考える―ゼロリスクという幻想
化学同人 (2009/11/30)
P179
P191
政府機関がオーガニック食品にはとくに食品安全上のメリットもデメリットもない言っているにもかかわらず、一般の人びとには安全性や健康のために高いお金を払ってもオーガニック食品を買うべきだと考えている人が多くなります。
健康にとって本当に大切なのはオーガニックかどうかより多様な野菜や果物を含むバランスの取れた食生活で、それは決して費用が嵩むようなものではありません。旬の野菜や果物なら安価ですし、端境期や天候不順で生鮮野菜や果物が不足しているような場合には缶詰や冷凍品などを上手に組み合わせればいいのですから。
ほんとうの「食の安全」を考える―ゼロリスクという幻想(DOJIN選書28)
- 作者: 畝山 智香子
- 出版社/メーカー: 化学同人
- 発売日: 2009/11/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
先日、中毒の専門家に会った。健康食品や漢方薬で健康を害した事例を、世界中から集めて本にした人である。
プロテインダイエット中の女性が金属欠乏症で死んだとか、ウコンをのみ続けて多臓器不全で死んだとか、事実だけに説得力がある。
センセ、こうなったらあたしたち、何を信じたらいいんですか?冷や汗をふきつつ聞いたら、先生はこう言うのだった。
「普通に健康な食生活を送ればいいのです。これを食べれば無病息災なんてものは、世界中どこを探してもないですから」
当たり前といえば当たり前である。しかしそれを聞いている現代人というのは眉唾のセンスが衰えていると思っていい。
気になる科学 (調べて、悩んで、考える)
元村有希子 (著)
毎日新聞社 (2012/12/21)
P28
いまから45年も前の1972年に「日本の長寿村短命村」(サンロード刊)という本が刊行されました。著者は、東北大学名誉教授の近藤正二医学博士です。
~中略~
私なりに、博士の研究結果をまとめてみると、以下のようなことが言えます。
①健康・長寿の決め手は食生活である
②酒飲みは短命ではない
③重労働をしている人のほうが長寿
④ごはんの食べすぎは短命
⑤魚ばかりで野菜が少ない村は短命
⑥大豆製品を多く食べている村は長寿
⑦大量の野菜を食べている村は長寿
⑧果物を多くとる村は短命
⑨海藻を多くとっている村は長寿
⑩肉の食べすぎは短命
⑪塩分をとりすぎている村は短命
⑫ゆっくり楽しんで食べることが大事
他にもいろいろありますが、長寿か短命かを決めるのは圧倒的に食生活にまつわる要素が多いのです。
もちろん、山奥の村と海岸ぞいの村では食べているものが違います。いまのように流通システムが整っていない時代ですから、山奥の人が開窓を食べることはできません。しかし、代わりに木の実や山菜、キノコ類には恵まれていたでしょう。
実際に、山奥にも海岸ぞいにも、それぞれ長寿村も短命村も存在しています。
ただ、どちらにおいても共通して指摘されているのが「野菜を多くとっていれば長命であること」「ごはんをたくさん食べていると短命であること」「肉や魚などの動物性タンパク質はほどほどにして、大豆の植物性タンパク質は積極的にとったほうがいいこと」です。
まさに、私が本書で提言する食生活そのものであり、縄文人の食生活にも近かったのではないかと思います。
医者が教える食事術 最強の教科書――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68
牧田 善二 (著)
ダイヤモンド社 (2017/9/22)
P65
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