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看護師の役割5か条 [医学]

1)患者さんの話を聞く
2)患者さんのつらさや苦しみを汲み取る
3)患者さんの日常を見護る
4)患者さんと医師との関係に配慮する
5)ご家族の相談に応じる

大切な人の「こころの病」に気づく 今すぐできる問診票付
日本精神科看護技術協会 (著), 末安民生 (著)
朝日新聞出版 (2010/11/12)
P229

-60dc6.jpg信濃美術館・東山魁夷館4

P112
従来の看護婦は、常に患者の傍らにあって、その母性的(マターナル maternal)役割を全面的に期待されていた。
しかし近年、看護業務は大きく変化を遂げた。
一人の患者に対する評価、今後の方針をカルテに記し、状況の変化に応じて看護計画を変更する、というシステムを採用している。これをPOS(Problem oriented system)という。これは多くの看護婦が時間差をもって一人の患者と関わるなかで、ある程度均質な看護サービスを恒常的に供給しつづけるといういみにおいてすぐれている。
しかし一方、一人の看護婦が一人の患者に絶え間なく献身的に関わるといった構造はなくなり、いつも患者の傍らにいるという看護婦の<母性幻想>が崩されてしまった。
すなわち看護の役割が、マターナリズム(maternalism)からパターナリズムへと移行してきたのである。看護婦が持ちはじめた先述の(住人注;患者を<甘え>させて好きなようにさせるのがよいのか、それとも自律を促すため若干の強制を行ったほうがよいのかという)疑問は、このような背景から生じてきたものである。
 ところで、病棟は退行(ここでは<甘え>とほぼ同義と考えてよい)の促進をもたらす場所である。何科の病棟でも同じである。そこでは、心身ともに不自由な患者が看護婦の助けを借りながら養生する。時として、風呂に入れてもらうことや、おむつを替えてもらうことさえある。
患者が通常一般の社会人の感覚を病棟に持ち込んだのでは、うまくいかないことは明らかである。実際看護婦のほうも、程よく退行した患者を「かわいく扱いやすい」と感じているようである。~中略~
最も看護婦を困らせるのが、五分ごとのナースコールである(註)。こういった患者は、何度看護婦に病床を訪ねられてもすぐまた不安になり、繰り返し看護婦を呼ぶ。
 いまだにマターナリズムを心のよりどころとする看護婦は、患者に対する<受容と共感>については常々厳しく教育されてきているけれども、<拒絶>の仕方は教えられていない。~中略~
だから、いまや個々の看護婦の心のうちにマターナリズムとパターナリズムとの葛藤が生じている。

P119
(註)近年、個々の看護婦の主観・個性が抑圧されてきている。そもそも看護婦が主観を表明するスペースが、今のカルテには与えられていない。
私自身が看護婦から五分ごとのナースコールにどう対応するか、と尋ねられた場合、時には「もう本当に疲れました」と患者さんに告げてもいいんだよ、とアドバイスをする。
慎み深い主観の表明を行うことにより、今めざされているパターナリズムから少し抜け出してみるのである。看護婦がこういった自らの置かれている苦境に気づくことのできる時、その解決の糸口が見出されるかもしれない。

精神科医になる―患者を“わかる”ということ
熊木 徹夫 (著)
中央公論新社 (2004/05)


看護婦を困らせる患者 ワースト10
1位 何をしてもらっても、当たり前だと思っている患者さん。
2位 自分だけが一番重症、と思いこんでいる患者さん。
3位 自分で病気を治そうとする意思がない、また努力をしない患者さん。
4位 しろうと判断して、指示に従わない患者さん。医師や看護婦のいうことより、医学図書のほうを信用したがる患者さん。
5位 母親の理解が足りない、そして過保護な子供の患者さん。
6位 病院慣れしている患者さん。
7位 社会的地位をそのまま病院でも押し通そうとする患者さん。なんでもカネで解決しようとする患者さん。
8位 病気でないのに、よく病院にやって来る人。
9位 なにかというと、「新聞に投書するぞ」などと脅迫する患者さん。
10位 がまん強いため辛抱しすぎて、訴えが少ない患者さん。おとなしすぎて、やはり訴えが少ない患者さん。
日本アップジョン会社(東京都新宿区西新宿二ノ六ノ一)発行、アップジョン文庫「ことばのふところ」に掲載されています。
同社の広報誌には「医者から嫌われる患者たち」の実例も紹介されていました。
~中略~
 医師だって人間ですから、病気もします。ひどく疲れることもあります。
どうかこういうことも心におとめください。また医師としては当然、自分のおこなった治療の効果を知りたいのです。どうか、結果を隠さずに知らせてください。
 こういうふうに、患者さんの言い分、医師の言い分を読むと、なるほど、気をつけなければならないな、と思います。患者を動物みたいに扱うな、人間らしくサービスせよ、と注文をつけるのなら、受益者がわとしても、医師・看護婦に対し、礼節ある態度をとるべきです。また高度の人間的サービスを求めるのなら、それに見合う正当な対価を支払うべきです。
なんでも、保険の枠内で無償でやれ、というのではムシがよすぎます。
藤田 真一

患者本位の病院改革
新村 明(著),藤田 真一(著)
朝日新聞社 (1990/06)
P215


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