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ガンを飛ばす [雑学]

 アイの目を見ると、アイもこちらの目をじっと見た。これにはとても驚いた。
その前の一年間(住人注;一九七六年)、ニホンザルと付き合っていて、サルとは目が合わないことを知っていたからだ。
サルは、目を見ると「キヤァ」と言って逃げるか、「ガッ」と言って怒る。 サルにとって、「見る」というのは「ガンを飛ばす」という意味しかない。
それに、見知らぬ人にに出会ったニホンザルはまったく落ち着かない。

ところがアイは、こちらがじーっと見たら、じーっと見つめ返してきた。驚きだった。

想像するちから――チンパンジーが教えてくれた人間の心
松沢 哲郎 (著)
岩波書店 (2011/2/26)
P1

-f974e.jpg法厳寺 本堂(弁才天堂)

P47
 ニホンザルの親子は見つめ合わない。ニホンザルの親子の写真を見るとわかるように、子どもはお母さんの胸にぴったりくっついていて、見つめ合えない。
赤ちゃんとお母さんが少し離れないと顔と顔が合わないのだ。
人間と大型類人猿を合わせたものをホミノイドというのだが、ホミノイドだけが互いに見つめ合う。
 チンパンジーは、子ども抱くだけじゃなくて、ちょっと「高い、高い」をしたりする。わざわざ引き離して、顔と顔を合わせ、見つめ合う。


タグ:松沢 哲郎
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