日本人の単一性 [日本(人)]
大前(住人注;大前 研一)
私は日本の問題というのは、個々の問題よりも、なんとなく一億二千万の人がいとも簡単に一つの意見に、しかも盲信に近いものにまとまってしまう。それを教え込まれた次の世代も同じことを言い出す。日本は国土が狭いから住宅が狭いのはしようがない、というようなのがこの盲信の典型です。
司馬 集団ヒステリーが極めて起こりやすい国ですね。たとえば昭和元年ぐらいから、日本は大曲がりに曲がって行ったときに、いくつかのキャッチフレーズがあったけれども、盲目的コンセンサスをえたのは「満蒙は日本の生命線」です。これは松岡洋右が何かの拍子に言った言葉なんですが、それをいろんな人が取り上げて、全員が信じた。何もリアリティはありません。
対談集 日本人への遺言
司馬 遼太郎 (著)
朝日新聞社 (1999/01)
P68
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