帰るところがある [宗教]
今は、死んだら浄土に生まれることができるような生き方をしようと考えています。それに「死んだらそれでおしまい」と考えて生きている人と、「死んだら浄土に帰っていく」と考えて生きている人とでは、だいぶ行き方が違ってくるんじゃないでしょうか。
そうなんです、「浄土」とは帰るところ、難です。「西の方向」とは、帰るとこの象徴表現です。
山折哲雄氏によれば「日本人の宗教性を最もよく表しているのは、「夕焼け小焼け」の歌」だそうです。(山折氏は、韓国の宗教学者に教えてもらったそうですが)。
夕焼け小焼けで日が暮れて 山のお寺の鐘が鳴る
お手々つないでみな帰ろ カラスと一緒に帰りましょ
ここで語られる、「夕焼け」「お寺の鐘」「お手々つないで」といった記号は、「共生感覚」「自然観」「生命観」「無常観」「深みのある悲哀観」など、日本の宗教的情緒を見事に象徴している、というわけです。
いきなりはじめる仏教生活
釈 徹宗 (著)
バジリコ (2008/4/5)
P219
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