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他力の仏教 [宗教]

 浄土仏教は別名「他力の仏教」と言うことができます。中国仏教では、禅仏教と浄土仏教は一対で語られることが多いのですが、(禅浄双修と言います)、日本仏教ではそれぞれが独立する方向へと進みました。これは鎌倉仏教の特徴でもあった、シンプル・ピュア・イージーという方向性、つまりただひとつを選び取り残りは捨てる、という傾向が反映された結果でしょう。「他力」とは、仏願(主として阿弥陀仏の願い)の力を指します。
~中略~
 さて、「他力」は私たちの在りようを方向転換させる力と考えることができます。自分の力で生きている、という枠組みが「大きな願いの中で生かされている」という逆方向へと転換する、それが他力です。
~中略~
 「南無阿弥陀仏」の「南無」はサンスクリット語のナマスやパーリ語のナムを音写したものです。帰命や帰依と意訳されることもあります。「おまかせします」と訳すのがいいと思います。「阿弥陀仏」は、前述のように、限りない光と生命のブッダという意味です。口に「ナムアミダブツ」と称えることは、「限りない光と生命の仏様におまかせします」という生きる姿勢を表明しているということです。定型の信仰告白ですね。これは向こう側から開くという宗教の受動性に基いている仏教なのです。

いきなりはじめる仏教生活
釈 徹宗 (著)
バジリコ (2008/4/5)
P216

DSC_6232 (Small).JPG臼杵石仏古園石仏


タグ:釈 徹宗
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