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ピンチが脳を鍛える [雑学]

 脳の特徴を理解することで見えてくる学習のコツがあるのも事実である。
たとえば危機的な状況にあると、注意力や記憶力が促進される。これは脳に備わった普遍的な性質だ。私たちはヒトである以前に動物である。
~中略~
 たとえば、冬になるとエサを得にくくなることを本能的に知っているのだろうか、脳は寒いときに危機感を感じるようだ。
「頭寒足熱」という言葉にあるように、頭部の温度が低めのときに仕事効率が上昇することが古くから知られている。
 空腹もまた生物にとっては危機である。~中略~

 こうして見てゆくと、栄養は体に必要だとはいえ、食べ過ぎは必ずしも脳にとってよくないことがわかる。
グレリン(住人注;胃が空っぽのときに放出される消化管ホルモン)を脳に伝えるためには、たらふく食べることは避けたいし、無駄な間食も慎むべきであろう。
「腹が減っては軍(いくさ)は出来ぬ」は今や古き時代の言葉。暖衣飽食の現代では「腹八分に医者いらず」の心意気をむしろ尊重したい。
海馬を鍛えるのは文字通り「ハングリー精神」なのだ。

脳はなにかと言い訳する―人は幸せになるようにできていた!?
池谷 裕二 (著)
祥伝社 (2006/09)
P240   

脳はなにかと言い訳する―人は幸せになるようにできていた!? (新潮文庫)

脳はなにかと言い訳する―人は幸せになるようにできていた!? (新潮文庫)

  • 作者: 裕二, 池谷
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2010/05/28
  • メディア: 文庫

 

DSC_6327 (Small).JPG普光寺磨崖仏


タグ:池谷 裕二
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