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同罪 [ものの見方、考え方]

 まっとうな人間が、おなじ国家の国民だからといって、他人の犯罪の責任を問われてもほんとうにいいのでしょうか。
むしろ、その人自身が、犯罪の犠牲者であり、自分の民族の支配層、指導層が執行したテロの対象であり、そのテロにあらがうことができなかったのではないでしょうか。
同罪だと言い立てると、ほんとうは克服したいと思っているまさにその世界観に逆戻りしてしまうのではないでしょうか。
それは、たまたまおなじ集団に属している人がなんらかの犯罪を事実犯した、また、犯したものと考えられるからといって、ひとりひとりの人に罪を着せるような世界観なのです。こうした考えかたは、なんと愚かしいものに思えることでしょうか。
もっとも、いまになってやっとそう思えるようになったのですが。

それでも人生にイエスと言う
V.E. フランクル (著), 山田 邦男 (翻訳), 松田 美佳 (翻訳)
春秋社 (1993/12/25)
P143

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