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マスメディアはマスメディアのために存在する [社会]

 こうした報道(住人注;インプラント治療に対するマイナス報道)はその後も続いて、大手新聞各社はインプラント治療のトラブル件数などを盛んに報じています。
 しかし、一部の新聞社では、歯面上でインプラント治療の医療事故を取りあげる一方で、「いい歯科医師選びのコツ」といったタイトルのインプラント関連ムック本を出版し、歯科医師から高額な広告収入を得るという”ビジネス”を行なっています。
 これらの本では、前半で「学会が認定している専門医にかかりましょう」などと、いかに歯科医の選択が重要なのかを強調しておきながら、後半では、あたかもインタビュー記事のように見せかけた歯科医院の広告が、大量に掲載されているのです。広告ページに出ていた歯科医師のなかには、学会専門医ではない人もたくさん含まれていました。
 これらの広告ページの掲載料は、1ページ80万円、見開きで150万円だとも聞いています。あるムック本に関して、歯科医院からの広告収入をざっと計算したところ、2000万円以上にものぼりました。
 これは「マッチポンプ」と揶揄されても仕方のない”商法”ではないでしょうか。大手新聞社や系列出版社がこのような本を出してよいのか、私は大変疑問に思います。

 また、本のなかでは、国際的なコンセンサスのとれていないものを「最新治療法」として紹介している箇所や、患者さんにインプラント治療が手軽で簡単なものだというイメージを植え付けるための誘導が、随所に盛り込まれていました。
 このようなムック本を読んで安易にインプラント治療を受けてしまったせいで、医療トラブルが増え、インプラント治療に対する患者さんの不信感が募る―というのでは、悪循環以外のなにものでもありません。
「国民のために」というのが、マスメディアの”錦の御旗”であるはずです。少なくとも、インプラント関連の事故報道を盛んに行ったのは、そのためであったはずです。それが、一方の手では”正義の味方”として国民を扇動しておきながら、もう一方の手で、”濡れ手に粟”状態では、正義感やコンプライアンスを疑いたくなります。

歯科大教授が明かす 本当に聞きたい! インプラントの話 角川SSC新書
矢島 安朝 (著)
角川マガジンズ(角川グループパブリッシング) (2013/3/9)
P65

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 今、四国遍路には年間何万人もの巡拝の人たちがお参りに来られるので、たくさんの雑誌やテレビ、出版社の方からのさまざまな取材の依頼がある。その中には、「秘仏を撮影する」ことをコンセプトにした写真集を企画している人もいて、当然、その取材では「秘仏を開帳してくださいませんか?」という依頼を受けることになる。なかなか見られない存在があると、人はそれに思いを馳せ、見たくなってしまうようだ。 もしかしたら、それも「秘仏」の存在理由のひとつかもしれない。
「今回は、多くのお寺さんで撮影することが出来ました。撮れてないのはここと、あと、わずかだけですよ・・・・」
 若い坊さんの僕に、暗にプレッシャーをかけるように、丁寧だけど断りにくい言葉を選んで相手も話す。しかもこれは後で、正確な情報でないことがわかった。
「多くの方に仏さんの縁をいただければ、と思いまして」
 そう言われるとなんだか本当に断りづらい。お坊さんとの仕事に慣れているのだろう。しかし、今回はちょっとしたスタンドプレーになったとしても、よく考えた結論として「今回は撮影を見送ります」ということをお伝えすることにした。なんだか腑に落ちなかったのだ。そして腑に落ちないのであれば、するべきではないと思った。
 「これは特別なものだから」といって仏像をベールに包んでしまうことを、批判することはある意味、たやすいことだろう。
「なに、もったいつけてんの?」。そんな言葉も聞こえてきそうだ。おなじように撮影を断ったお寺さんは、態度を豹変させた取材者から、「本当はなんにも、入ってないんじゃないですか?」と笑いながら、吐き捨てるように言われたということだった。

 

ボクは坊さん。
白川密成 (著)
ミシマ社 (2010/1/28)
P113

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