手を尽くして祈る [ものの見方、考え方]
(住人注;人は常にP:親的な自我状態、A:大人の自我状態、C:幼児的な自我状態の全体で反応することの)たとえば、外科医が手術をするにあたって、それまで得られたデータに基づいて、冷徹で精密な機械のような態度で臨むという点だけをみると、精神的にはAの理性そのもののように思われる。
しかし、外科手術の世界的権威であるわが国の一教授がくしくも言われたように、「手術は祈り」なのである。ここでいう祈りとは、全身全霊をあげて手術に臨むという含みをもっている。
外科医は、手術中に予想だにしなかったような事態に遭遇し、それに対処できるためには、常に、その創造的なAの働きと、それを支える深い人間愛Pがなければならないであろう。また、手術をうまく進めるには、Cに属する本能的な直観力が絶えず目覚めていることも、欠かせない条件であるといえよう。
セルフコントロール―交流分析の実際
池見 酉次郎 (著), 杉田 峰康 (著)
創元社; 新版 (1998/11)
P53
医師には明晰な頭脳と温かい心が必要である。その仕事は骨の折れる複雑なものであるから、最高度の頭脳の働きを必要とし、それと同時に、絶えず感情や繊細な感覚に訴えてゆかねばならない。
平静の心―オスラー博士講演集ウィリアム・オスラー (著), William Osler (著), 日野原 重明 (翻訳), 仁木 久恵 (翻訳)
医学書院; 新訂増補版 (2003/9/1)
P174
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