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夢違観音 [見仏]

夢違観音はいわゆる天平前期にあたる作であるが、この像の持つ美の要素には十分注目すべきものがあり、日本美の特質を深く包蔵している。わずか二尺八寸余の小像であるが古来世人の恭敬愛慕絶ゆる事なく、悪夢を善夢とかえてくださる御仏として礼拝されて来たという。
そういう伝説に値する美が確かにある。この像には既に大陸の影響が充分消化せられて、日本美独特のものが備わっているが、前に述べた清らかさ、高さ、精神至上、節度というようなものに加え、更に疑念なき人なつこさの美がある。これが大和民族の本能から来ているところに意味がある。
(初出「婦人公論」昭和17年9月号)
高村光太郎

名文で巡る国宝の観世音菩薩
白洲 正子 白洲 正子 (著),広津 和郎 (著),岡倉 天心 (著), 亀井 勝一郎 (著), 和辻 哲郎 (著)
青草書房 (2007/06)
P112

P1000134 (Small).JPG

P107 法隆寺観音菩薩立像[夢違(ゆめちがい)観音] 前略~ 蜜蝋(みつろう)で仏像の型を作って周りを砂で固め、鑞を溶かしてできた空洞に溶銅を流し込んで一気に像を鋳出する蝋型鋳造で作られている。~中略~ 飛鳥・白鳳時代(7~8世紀)の造立。昭和27年11月に国宝指定。銅造。像高87.0㎝。

http://www.youtube.com/watch?v=pQxIAEy10Yo&noredirect=1

 

 
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