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英雄の心を攬り有功を賞禄し、志を衆に通ず [処世]

 一、夫(そ)れ主将の法は務めて英雄の心を攬(と)り有功を賞禄し、志を衆に通ず。(上略)
 これにつきまして、面白い逸話があります。例の北条早雲(伊勢新九郎)が、ある日法師に「三略」を講義させました。 法師が開巻冒頭これを読みますと、聞いておりました早雲がいきなり、「よしわかった!これで十分」と言って講義をやめさせたという話があります。
~中略~
「主将の法は英雄の心」と、つまり雑輩を相手にしてもつまらない。偉い奴の心をぐっと握るということが大事であります。 つまらない人間のご機嫌を取って、空人気を占めたところで何にもならない。しっかりした偉い奴の心を握って、そして、「有功を賞禄し」、手柄のある者に惜しげもなく褒美をくれてやって、それと同時に、なさんと欲するところ、つまり志を多勢の者に通ずる。「通」というこの一字が字眼で、大事なのであります。
いかに衆に志を通ぜしめるか、わがなさんとする志を衆に通ずるか、これを慌て者は単にPRと考えるのでありますが、これはいくらPRしたって通じはしないのであって、通ずるにはやはり、自らそれだけの道がある。

安岡正篤
  運命を創る―人間学講話
  プレジデント社 (1985/12/10)
   P43

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