イングランドとスコットランド [国際社会]
〔1〕イングランドは長いあいだスコットランドにたいして事実上の宗主国であったばかりでなく、ずっと豊かな先進国でもあった。
ところが十八世紀半ばごろから、スコットランドの経済は加速度的な発展を開始し、またほとんどすべての領域でルネッサンス的な学問文芸の華がひらき、これが逆にロンドンを席巻するありさまとなったから、昔からスコットランド人をケチな田舎者扱いしてきたイングランド人の優越感はにわかに屈折したものになってきた。
例のドクター・ジョンソンが「英語辞典」(一七五五年)の燕麦(オート麦、オートミールの原料)の項に「イングランドではふつう馬に食わせる穀物、ただしスコットランドでは人間の主食」という定義を与えたのは有名な話である。
ところが十八世紀半ばごろから、スコットランドの経済は加速度的な発展を開始し、またほとんどすべての領域でルネッサンス的な学問文芸の華がひらき、これが逆にロンドンを席巻するありさまとなったから、昔からスコットランド人をケチな田舎者扱いしてきたイングランド人の優越感はにわかに屈折したものになってきた。
例のドクター・ジョンソンが「英語辞典」(一七五五年)の燕麦(オート麦、オートミールの原料)の項に「イングランドではふつう馬に食わせる穀物、ただしスコットランドでは人間の主食」という定義を与えたのは有名な話である。
国富論 (1)
アダム・スミス (著), 大河内 一男 (翻訳)
中央公論新社 (1978/4/10)
P129
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