肉山 [言葉]
坊さんの仲間では、収入のいい寺のことを「肉山」という。肉がたっぷりついているという意味で。たとえば東京の浅草寺や、大坂の四天王寺は、肉山である。
しかし、浅草寺や四天王寺へ行っても、なんの詩的感興もおこらないであろう。肉山だからだ。
それよりも、大和の唐招提寺や秋篠寺、法華寺などのような死山(というようなコトバはないが)に、人は美と歴史への涙をながす。妙なものだ。
(昭和36年11月)
司馬遼太郎が考えたこと〈2〉エッセイ1961.10~1964.10
司馬遼太郎 (著)
新潮社 (2004/12/22)
P59
司馬遼太郎が考えたこと〈2〉エッセイ1961.10~1964.10 (新潮文庫)
- 作者: 遼太郎, 司馬
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/12/22
- メディア: 文庫
タグ:司馬 遼太郎
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