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親鸞 [宗教]

五木 前略~ 親鸞がやったことというのを、日本の長い仏教の歴史、あるいは思想史の流れの中で見ると、やっぱり個人というものを信仰と結びつけた点にあると思うんです。彼が個人の信仰を確立したわけです。
 阿弥陀如来信仰には、「われ一人のため」という発想があるでしょう。親鸞は近代に至る前に個人の自我というものを確立したのです。
それまでの宗教というのは、すなわち国家の宗教であり、民衆の信仰であり、村人、職人グループの信心だった。五穀豊穣や鎮護国家といった社会的要請のために使われ、僧侶たちは朝廷から官位をもらって任命されていた国家公務員です。
 そういう大きな世界にある宗教勢力というものから離れて、庶民大衆というもののために仏教を模索したのが法然で、親鸞がやったことは、さらに庶民大衆の中の一人ひとり、個々の個人の、個の自覚を切り開いたということだと思います。

親鸞と道元
五木寛之(著),立松和平(著)
祥伝社 (2010/10/26)
P108


親鸞と道元 (祥伝社新書)

親鸞と道元 (祥伝社新書)

  • 作者: 五木寛之 立松和平
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2018/11/01
  • メディア: 新書

 


DSC_5428 (Small).JPG戸上神社 内満隆寺


タグ:五木 寛之
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