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華道 [雑学]


 茶人は、花を、得心がいくように活けおわると、それを日本の部屋の上座にあたる、床の間に置く。花の美を妨げるようなものは一切、その近くに置かない。
一幅の絵ですらも、組み合わせを目的とする特別の審美的理由がなければ、掛けない。花は玉座の王子にようにそこにすわっている。そして、客や弟子たちは部屋に入ると、主人に挨拶するまえに、花にむかって深ぶかと頭をさげて敬礼する。
~中略~
 華道が生まれたのは十五世紀で、茶道の誕生と時を同じくしていると思われる。
わが国の伝説によれば、はじめて花を活けたのは初期の仏教の聖である。彼らは嵐に吹き散った花を集めて、生きとし生けるものへの無限の憂いから、それを水差に入れたという。

茶の本
岡倉 天心 (著),桶谷 秀昭 (翻訳)
講談社 (1994/8/10)
P86



DSC_2108 (Small).JPG上野ファーム

P88
 花をそれじたいとして崇拝するのは、十七世紀中葉の「生け花の宗匠」の出現によって始まる。
そうなると、生け花は茶室から独立して、花瓶が課する法則以外のいかなる法則とも無関係になる。いまや、新しい構想と方法が可能になり、そこから多くの原理と流派が生まれた。






タグ:岡倉 天心
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