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人格 [哲学]

そもそも「人格」とは何でしょうか。G・Wオルポートの有名な定義では、「人格とは、個人の環境に対する特徴的な行動と考えを決定している複数の心理・生理系の、個人内にある力動的体制である」とされています。  この定義について注目すべきことが二つあります。まず、ある個人の言動を観察している、つまり外から「私」を見ていること。次に「個人内にある力動的体制」は、経時的に別人格が現れる可能性を否定していないことです。

「痴呆老人」は何を見ているか
大井 玄 (著)
新潮社 (2008/01)
P132

「痴呆老人」は何を見ているか (新潮新書)

「痴呆老人」は何を見ているか (新潮新書)

  • 作者: 大井 玄
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/01/15
  • メディア: 新書

DSC_2822 (Small).JPG立久恵峡温泉

P143
 その「体制」の基本的役目とは環境に適応することであり、換言すれば、ヒトの「いのち」を、その環境で苦痛を少なく存続させることである、とお思います。

P157
 今までの「私」や「人格」についての議論を総括すると、「私」「人格」もある現象であって、条件が整っている限り、種々の因子がおたがいに関係しあってその現象を生ぜしめている、ということです。
つまり、仏教でいう、すべては「因縁」によって生起しているという法則にまとめることができるように思います。
換言すれば、「実体的自我」は、ヒトの発育過程でも、死に近い老いの過程でも観察できないのでした。

「痴呆老人」は何を見ているか (新潮新書)

「痴呆老人」は何を見ているか (新潮新書)

  • 作者: 大井 玄
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/01/15
  • メディア: 新書


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