SSブログ

日本の復活など諸外国にとって悪夢に過ぎない [国際社会]

 日本の保守勢力は歴史問題の深刻さを理解していないからこそ、「我らの安倍内閣ができた以上、戦後レジームから脱却できる」と舞い上がる。
「戦後レジーム」とは「日本を敗戦国のままにさせる体制」のことである。
 誰が、戦後レジームからの脱却を望むのか。台湾やASEAN諸国、あるいはインドのような親日国は望むかもしれない。しかし、いずれも小国である。~中略~
 逆に周辺諸国ではどうか。台湾以外のすべての隣国が、日本には永遠に敗戦国のままでいてほいしいと願っているのである。
 まず、中国が日本の復活など望むだろうか。ありえない。
 あらゆる面で国益が衝突する中国は、第二次世界大戦の敗戦国なのである。中国(当時は中華民国)は日本に対しては全戦全敗であった。米国の介入がなければ間違いなく蒋介石は殺されるか降伏していた。
~中略~
 しかも現在の中華人民共和国は、「侵略者日本に打ち勝った中国共産党」の歴史を支配の正当性としている。日本の復活など死活問題である。
 次に、ロシアである。
 日露戦争の敗北は、ロシア人にとって拭えない屈辱である。そしてこれを、スターリンによる騙し討ち、日本の降伏六日前の参戦と言う卑怯な形でしか復讐できなかった。
~中略~
 なお、イギリス人とオランダ人にどれほど恨まれているかについて、日本人はまったく無自覚だ。日本はアメリカにこそ敗北したが、その過程でオランダを踏み潰し、大英帝国と刺し違えているのである。 
 日本と戦ったがゆえに、オランダもイギリスもその版図を失ったのだ。しかも戦闘においては、日本に対して完敗の連続である。日本は英蘭に対しては戦勝国である意識が欠落しているのだから、敗者の怨念に無自覚なのは当然である。
 中露両大国の威光を借りて日本への敵意をむき出しにするのが、朝鮮半島の二つの小国である。
北朝鮮に関しては言うに及ばない。~中略~
 厄介なのが韓国だ。アメリカは、日本及び韓国と軍事同盟を結んでいる。日韓は友好国のはずだ。ところが、韓国は日本への敵視をやめない。事あるごとに歴史問題を持ち出す。李明博前大統領は国内世論に媚びるために竹島に上陸し、天皇への謝罪を要求した。
 日本敗戦後の韓国人(朝鮮人)は「第三国人」と言われた。これは「戦勝国でも、敗戦国でもない国の人」という意味だが、不正確である。
韓国人(朝鮮人)は、戦時中は日本国民であり、ともに戦った同胞である。
 満州事変や支那事変ではむしろ、日本陸軍が驚くほど漢民族への反感を剥き出しにし、よく協力している。それが日本の敗戦により一夜にして裏切り、いわば「落ち武者狩り」をする側に回っただけの話である。
 北朝鮮はもちえろん、韓国にとってもやはり日本の復活など悪夢に過ぎない。

日本人だけが知らない「本当の世界史」
倉山 満 (著)
PHP研究所 (2016/4/3)
P18

日本人だけが知らない「本当の世界史」 なぜ歴史問題は解決しないのか (PHP文庫)

日本人だけが知らない「本当の世界史」 なぜ歴史問題は解決しないのか (PHP文庫)

  • 作者: 倉山 満
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2016/04/03
  • メディア: 文庫

DSC_3675 (Small).JPG海峡花火大会

 

P24
 歴史問題の解決とは、もう一度戦争に勝たねば解決できないほどの難題なのである。

日本人だけが知らない「本当の世界史」 なぜ歴史問題は解決しないのか (PHP文庫)

日本人だけが知らない「本当の世界史」 なぜ歴史問題は解決しないのか (PHP文庫)

  • 作者: 倉山 満
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2016/04/03
  • メディア: 文庫


タグ:倉山 満
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント