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共助 [社会]

  日本の高齢者福祉は、以下の三点セットで成り立っていることを前章で論じました。年金、医療、介護です、それに居住が加わって4点セットになります。それぞれに年金保険、健康保険、介護保険という制度が対応しています。いずれも保険という共済制度です。
これがほんらいの意味の「共助」です。お互いに自分のフトコロからおカネを出し合って、困ったときに困ったひとに配分するという社会連帯の原理です。
病気知らずのひとは健康保険を払いつづけていても一生使わないこともあるでしょうし、介護保険も保険料が年金から天引きされているのに、ぽっくり逝ったらお世話にならずにすむでしょう。その反対に病気がちで払った以上の医療費の給付を受けているひともいるでしょうし、介護保険をめいっぱい使っているひともいるでしょう。トラブルのないひとにとっては、共済制度というものは不公平なものです。ですが、困ったときの助け合い、これが「共助」の原理です。
 アメリカはそうではありません。アメリカは主として「自助」に期待する社会です。だからオバマ大統領が登場するまで、国民健康保険というものが存在しませんでした。

おひとりさまの最期
上野千鶴子 (著)
朝日新聞出版 (2015/11/6)
P63

 

 

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タグ:上野千鶴子
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