今の自分を棄(す)てる覚悟 [哲学]
「未来の自分のためなら、今の自分を棄(す)てる覚悟がある」
これはわたしがいつも電子メールのおわりにつけるアイシュタインの名文句です。
アインシュタインはわかっていたんですね。神経回路が全体としてうまく働くことで、世界を生き抜くために必要な能力が与えられる。
~中略~
美しい細胞のひとつひとつ。ひとつひとつの神経回路。まさに驚くべき小さな部品が織り上げられて、「心」のネットワークをつくりだす。わたしが脳の中で体験する意識は、そうやって確立された集合的な「気づき」にほかなりません。
神経の可塑性(かそせい)のおかげで、つまり、他の細胞とのつながり方を変える能力のおかげで、弾力的に考え、環境に適応し、世界の中でどう生きるかを選びながら、あなたとわたしは、地球上を歩くのです。幸いなことに、今日、どんな自分になるのかは、昨日、どんな自分だったかで決まるわけじゃありません。
奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき
ジル・ボルト テイラー (著), Jill Bolte Taylor (原著), 竹内 薫 (翻訳)
新潮社 (2012/3/28)
P288
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