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誤った情報を見抜け-ほんとうの「食の安全」を考える [日本(人)]

  残念ながら食品の安全性の分野においては、大手新聞やテレビ局を筆頭にメディアの発信する情報は間違ったもの、背景説明が不十分なために誤解を招くもののほうが多いというのが現状です。
インターネットや書籍などはさらに惨憺たる状況で、情報を積極的に集めようとする志の高い人ほど間違った情報に翻弄されやすくなっています。
世界のなかの日本、という現状を考えれば、英語で発信されている情報も含めてきちんと収集できれば、ある程度常識的な根拠のある情報にたどり着くのはそう困難ではないかもしれないのですが、英語の専門的文書が多くの日本人にとって敷居が高いのもまた事実です。

畝山 智香子 (著)
ほんとうの「食の安全」を考える―ゼロリスクという幻想
化学同人 (2009/11/30)
P2

ほんとうの「食の安全」を考える―ゼロリスクという幻想 (DOJIN文庫)

ほんとうの「食の安全」を考える―ゼロリスクという幻想 (DOJIN文庫)

  • 作者: 畝山 智香子
  • 出版社/メーカー: 化学同人
  • 発売日: 2021/12/27
  • メディア: 文庫

2182022東大寺大仏殿

P24
新聞をはじめとしたメディアの報道が、「基準値のX倍を超える残留農薬が・・・」というほとんど無意味ともいえる数字に基づくのではなく、「ARfD(もしくはADI)の△パーセントに相当する・・・・」という内容に変化すれば、一般への理解がより進むと思います。

P193
昔の人のほうが健康だったとか自然のものに有害なものはないなどという話は、小学校で習うことからだけ考えても嘘だとわかります。
  ひとつだけ、おまけの豆知識を加えるとしたら、現在の日本で食品添加物や残留農薬が食の安全にとって問題だということを言っている専門家は信頼するに足りません。それ以上その人の書いたものを読んだり話を聞いたりする必要はありません。
  結局のところこれさえ食べれば(あるいは食べなければ)病気にならないとか長生きできるというような魔法の健康食品や健康法は存在しないし、100パーセント悪いだけの食品もないという平凡でつまらない事実しか残らないのえす。

P200
予防接種は受けないほうがよいという本を信じて子どもが麻疹に罹って何ヶ月もお休みすることになった人、プラスチック製品は危険だから使わないでと保育園に要望を出してきた保護者、水道水は危険だからと何十万円もする浄水器を保育園に売りに来る業者、子どもたちに配られるおやつのお菓子を「発がん性のある添加物が使われている危険なもの」と言って子どもの目の前でゴミ箱に捨ててしまう保護者、そして小学校では水にありがとうと言うときれいな結晶ができるという授業。

 子どもが元気で順調に育っていて親も余裕があればあまり問題にならない場合もありますが、たまたま個性の強い子どもだったりアトピーなどの持病があったりすると母親の苦悩は大変なものです。
子どもになんらかの問題がある場合こそお母さんへの手助けが必要なのに、母親が悪いから子どもが病気になったのだと責められ、加工品は一切食べてはいけないとか毎日何時間も掃除機をかけなちといけないなどの”助言”に必要以上に追い詰められてしまいます。

~中略~
しかしそのような詐欺に騙されやすい環境をつくっているのは○○が悪い、××がいいらしいとたいした根拠もなく”お役立ち情報”を垂れ流しているメディアや自称情報通のオピニオンリーダー、そして口コミ情報として伝えている悪意のない一般のひとたちなのです。

 

ほんとうの「食の安全」を考える―ゼロリスクという幻想(DOJIN選書28)

ほんとうの「食の安全」を考える―ゼロリスクという幻想(DOJIN選書28)

  • 作者: 畝山 智香子
  • 出版社/メーカー: 化学同人
  • 発売日: 2020/01/31
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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