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まず肉体上の鍛錬 [倫理]

  活力旺盛となって、心身溌溂となれば、自然に大活動を生ずる。
大活動をなすについてその方法を誤れば、甚だしい過失を生ずる人となる。
そこで平生注意を払って、如何に猛進すべきかを考えておかねばならぬ。
猛進する力が正義の観念をもって鼓舞されると、非常に勢いを助長するものであるが、その正義を断行する勇気は如何にして養うかと言えば、平生より注意して、まず肉体上の鍛錬をせねばならぬ。

すなわち武術の練磨、下腹部の鍛錬は自然身体を健康にするとともに、著しく精神を陶冶し、心身の一致したる行動に熟し、自身を生じ、自ずから勇猛心を向上せしむるものである。
~中略~
すべての人の常として脳へ充血しやすく、自然、神経過敏となって、物事に動じやすくなるものであるが、下腹部に力を籠める習慣を生ずれば、心寛く体胖(ゆた)かなる人となりて、沈着の風を生じ、勇気ある人となるのである。
「立志と学問」

渋沢栄一 (著)
論語と算盤
角川学芸出版 (2008/10/25)
PP82

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論語と算盤

  電車の中で若い人は足を広げたり伸ばしたりしていてマナーがなっていないというものの、実際には年寄りにもだらしない人は結構います。
 だらしないのは、自分の身体を扱いかねているからです。日本は戦争のときに軍隊が身体を厳しく律しました。戦後派その反動から、身体に対する関心を意識的に薄れさせてしまったのです。
~中略~
 ところが敗戦後は、学校でそういう厳しいしつけをしなくなった。ですから、実は今老人になりつつある人、戦後生まれの人たちはみな今の若い人と似たり寄ったりという面があります。
 それでも家庭のしつけがきちんとしていれば、まだカバーできたのでしょう。しかし家庭もそのへんのしつけは手抜きをするようになりました。だから若い人のほうが余計にマナーが悪く見えるのかもしれません。
 おそらく自分自身の身体を自分で律する、コントロールするという感覚がどんどん薄れているのではないかと思います。
 それどころか、身体を自分でコントロール、管理しないといけないという感覚が現代人には非常に弱いようです。

養老 孟司 (著)
養老訓
新潮社 (2007/11)
P109

 

養老訓

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