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人望 [言葉]

 人望ほど、合理的で着実な拠りどころはない。一人の人間を押し上げるのは、人々の好意であり、愛情であり、善意だ。 そういったものを手に入れるには、どうしたらいいだろうか。それにはまず、手に入れようと努力することが大切だ。今までに、努力しないでえられた人はいない。

父から若き息子へ贈る「実りある人生の鍵」45章
フィリップ・チェスターフィールド (著), 竹内 均 (翻訳)
三笠書房 (2011/3/22)
P205

  -9bf88.jpg都久夫須麻神社 竜神拝所1

 呉起がいくさに出るときには、士卒の最も低いものと衣服も食事も同じにし、寝るにもしとねをしかず、行軍にも馬に乗らず、じぶんで兵糧を腰につけ、士卒と苦労をともにした。
あるとき兵卒に疽(そ)を病んだ者があった。呉起はその膿を吸い出してやった。その兵卒の母がこれを聞くと泣き出した。
 「おまえさんの子は足軽だろう。それを将軍がご自身でうみを吸って下さるというのに、泣くことはないじゃないか」と言ったものがある。
その母は答えた、
「いいえ。以前に呉起さまは、あれの父のうみを吸い出して下さったことがありました。父はいくさに出ますと、ひと足もひかず戦ったあげく、討ち死にしました。今度はまた呉起さまがあの子に同じことをして下さいます。わたくしは、あれがどこで死ぬのかと思いますから、それで泣くのですよ」。
 文侯は呉起の用兵のうまさと、清廉で士卒の人望が集まっていると認め、やがてかれを西河の太守として、秦と韓との防禦にあたらせた。
孫子・呉起列伝 第五

史記列伝1
小川環樹 今鷹真 福島吉彦 訳
岩波書店 (1975/6/16)
P51


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