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アドラー心理学 [雑学]

 非行にせよ、不登校にせよ、リストカットにせよ、あらゆる問題行動とは「安直な優越性の追求」である、とアドラーは言います。

 本来、他者から注目を集めたり、他者から認めてもらうには、それなりの努力が必要です。
ところが勇気をくじかれた子どもたちは、その努力を抜きにして自分を認めてもらおうとします。
その安直な行動こそが、問題行動なのです。
岸見一郎

40歳の教科書 親が子どものためにできること ドラゴン桜公式副読本『16歳の教科書』番外編
モーニング編集部 (編集), 朝日新聞社 (編集)
講談社 (2010/7/23)
P214

40歳の教科書 親が子どものためにできること ドラゴン桜公式副読本『16歳の教科書』番外編

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  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/07/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 

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P216
 たとえば、「不安だから、外に出られない」と考える。これはフロイトに代表される「原因論」の立場です。

 一方、アドラー心理学では、「外に出たくないから、不安という感情を創り出す」と考えます。
外に出たくないという「目的」が先にあって、その目的を達成するために不安という感情を創り出している、決して「原因」に突き動かされているのではないのだ、という考えになります。

P218
 アドラーの目的論は、よくよく考えてみるとかなり厳しい話でしょう。
一般的にカウンセラーは、「あなたはこれまで誰のせいにもできなかった。でも、人のせいにしてもいいんだ」と優しく語りかけるものですが、アドラー心理学では、そうした免罪符のカウンセリングは行いません。
他者のせいにすることもなく、環境のせいにすることもなく、過去のせいにすることもありません。

 かといって、「すべてあなた自身のせいだ、あなたが悪いのだ」と断罪するわかではないことは、頭にいれておいてください。
アドラー心理学は、「これまで人生になにがあったとしても、あなたが今後人生をどう生きるかについて、なんの影響もないのだ」「自分の人生を決めるのは、ほかの誰でもなくあなたなのだ」と言っているのです。

 

40歳の教科書 親が子どものためにできること ドラゴン桜公式副読本『16歳の教科書』番外編

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P3
日本ではフロイトやユングの名前はよく知られていますが、同じ時代に生きたオーストリアの精神科医であるアルフレッド・アドラーの名前はあまり知られていません。
アドラー(一八七〇~一九三七)は、一九〇二年からフロイトのウィ―ン精神分析学会の中核的メンバーとして活躍していました。しかし、学説上の対立から学会を脱退し、フロイトの理論とは相容れない全体論、目的論などを特徴とする独自の理論を構築し、これを「個人心理学」(individual psychology,Individualpsychologie)と称しました。
分割できないもの(in-dividu-um)としての人間を扱うという意味で個人心理学と呼んだのですが、この名称ではアドラーの意図が必ずしも伝わらないこともあって、今日では創始者の名をとってアドラー心理学と呼ぶのが一般的です。

P5
 今日、アドラーの名前に言及することなく、アドラーの思想は至るところで語られています。具体的には、例えば古くはデール・カーネギー(「人を動かす」創元社)、最近ではスティーブ・コヴィー(「7つの習慣」キング・ベアー出版)、リチャード・カールソン(「小さいことにくよくよするな!」サンマーク出版)などを読むとアドラーにちかい考えが表明されているのがわかります。とはいえ、基本的なコンセプトが違いますからアドラー心理学とは言えません。
後の二人はアドラーのことをそもそも知らないのではないかと思います。カーネギーはさすがにアドラーを引用しています。 アドラー心理学は宝の山のようであり、皆がどんどん持っていったというふうにいえるかもしれません。

P25
アドラーが自分の創始した心理学の体系を「個人心理学」と呼んだのは、最初に見たように、人間を分割できない全体ととらえ、人間は統一されたものである。と考えるからです。 そこでアドラーは、たとえば、人間を精神と身体、感情と理性、意識と無意識に分けるというようなあらゆる形の二元論に反対します。

P42
アドラー心理学の基本として、人は誰もが等しく同じことを経験をしているのではないという考え方があります。すなわち、人は客観的な世界にいきているのではないということです。

P48P48 アドラーは、このような行動について「なぜ」と問う時、行動の「原因」ではなくて「目的」を答えとして期待しています。人は原因によって後ろから押されて生きているのではなく、目標を設定してそれを追求する、と考えるのです。 ~中略~  杆状を例に目的論と原因論の違いを説明すると、普通はついかっとなってたとえば子どもを叩いてしまったというようないい方をしますが、そういうふうには考えないのです。  感情が原因で行動が結果であるとは考えません。 感情は多くの場合相手にこちらのいうことをきかせようというふうに相手を動かすために使うのです。 怒りを使うと相手がいうことを聞くだろうと考えて、怒りをその目的のために創り出します。 また、悲しみという感情は相手からの同情を引くために創り出すと考えます。感情はこのように私たちの心の中にあるのではなく、私たちと相手との間にあるのです。

P48
アドラーは、このような行動について「なぜ」と問う時、行動の「原因」ではなくて「目的」を答えとして期待しています。人は原因によって後ろから押されて生きているのではなく、目標を設定してそれを追求する、と考えるのです。
~中略~
 感情を例に目的論と原因論の違いを説明すると、普通はついかっとなってたとえば子どもを叩いてしまったというようないい方をしますが、そういうふうには考えないのです。
 感情が原因で行動が結果であるとは考えません。
感情は多くの場合相手にこちらのいうことをきかせようというふうに相手を動かすために使うのです。
怒りを使うと相手がいうことを聞くだろうと考えて、怒りをその目的のために創り出します。
また、悲しみという感情は相手からの同情を引くために創り出すと考えます。
感情はこのように私たちの心の中にあるのではなく、私たちと相手との間にあるのです。

アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために
岸見 一郎 (著)
KKベストセラーズ (1999/09)

 

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