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貸し主保護 [社会]

仮に5000万円の住宅ローンを組んでマイホームを建てたとしましょう。そして失業などによってローンの返済が滞り、家を手放すことになったとします。
 このとき日本では、家を手放してもローンがそのまま残ってしまいます。住宅の売却価格が1000万円だとした場合、もう住むことができないのに、ローンの残り4000万円分を返済していかなければならないのです。

 一方、欧米の住宅ローン制度(ノンリコースローン)では、失業などで返済ができなくなった場合、家を手放してしまえばそれ以上の返済義務はありません。
なぜなら、欧米は「貸し主(金融機関)も相応のリスクを負担する」という考え方に立った制度になっているからです。
~中略~

これに対し、日本の制度は基本的に「貸し主保護」になっていて、貸した側が取りっぱぐれることのないようなシステムができあがっています。
担保がないとお金を貸さないとか、連帯保証人がいないとお金を貸さないといった制度は、まさに典型例です。
~中略~

ちなみに、欧米には日本のような形での連帯保証人制度は存在しません。
 自殺や貧困の問題に対して、「そんなものは自己責任だ」と切り捨ててしまうのは簡単ですが、欧米で自己責任型の個人主義が成り立っているのは、一人ひとりが「個人として生きていく」ための環境を、社会全体が整えているからです。
清水康之

40歳の教科書NEXT──自分の人生を見つめなおす ドラゴン桜公式副読本『16歳の教科書』番外編
モーニング編集部 (編集), 朝日新聞社 (編集)
講談社 (2011/4/22)
P98

TS3E0355 (Small).JPG嘉麻市立織田廣喜美術館


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