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エスノセントリズム [言葉]

 トビ(住人注;ロナルド トビ ) 異民族に対して敬意と軽蔑の気持ちを抱くことは、人類共通の問題です。韓国とか日本だけの問題でないことは、今の世の中に広がる一方の民族戦争をみればわかることですよね。アメリカの差別問題はあまりにも有名です。

対談集 日本人への遺言
司馬 遼太郎 (著)
朝日新聞社 (1999/01)
P165

DSC_6224 (Small).JPG臼杵石仏

P170
トビ やっぱりこれは人間集団、つまり人間社会の常だと思うんですよ。どこの国も集団をなすためには、それに対する他者をおかなければならない。その他者を置くには、尊敬があってもいいし、軽蔑があってもいいというのは変ですが、とにかく距離を置く。しかし、国が違えば風俗も違う。それで結構じゃないかというところにとどまればいいんですけど、やはりそこに偏った価値観が入ってくるんですね。
司馬 結局、人類とか、人間というような大変普遍的な言葉は、実際には実体としては存在しないのかもしれませんね。何々人として存在するだけで。ぼくは去年(一九九五年)、初めてエスノセントリズムという英語の言葉を知りました。エスノセントリズムというのはアメリカの文化人類学者が言い出した、自分の文化が最高にいい、という意味の用語ですが、これを人間はもう本性に近いところに持っている。
~中略~
それがなければ人間はだめになるんだなと近ごろ思うようになりました。確かに、その意識の強すぎる人は怖い。しかし、体の中の血液の塩分と同じで、ある程度は無害で少しは有益なんですけど、その意識が過度な人は困りますな。


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