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評判と信頼 [社会]

 ネット取引をする場合に、評価システムを利用する目的が、当初は「危ない人」を見つけるためだったのが、「付き合っても大丈夫そうな人」を見つけるために変わったというわけなのです。
 この結果から分かったのは、評判には「追い出し」作用と「呼び込み」作用の二つがあるということです。
~中略~
 すなわち、悪い評判を流すことで相手を追い払うのではなく、いい評判を積み重ねていくことで自分のところに人が集まってくるようになるということです。
 老舗が人々の信頼を集めるのは、長年にわたり正直な取引を続け、客の期待を裏切らなかったからこそその店は「老舗」になれたのだろうとみんなが考えるからです。それが「ブランドの信用」というわけですが、ネット社会ではそうしたブランド化が企業のみならず、個人のレベルでも起きているということが言えるのではないでしょうか。
~中略~

 しかし、このオークション実験が示唆しているのは、見知らぬ他人が「泥棒」ではないかと過度に警戒してビクビク生きていくよりも、他人のいい評判に目を向け、そうして評判を確立した人たちと積極的に手を結んでいくほうが、信頼社会を構築するうえで重要なのではないかということです。

日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点
山岸 俊男 (著)
集英社インターナショナル (2008/2/26)
P223

日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点

日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点

  • 作者: 山岸 俊男
  • 出版社/メーカー: 集英社インターナショナル
  • 発売日: 2008/02/26
  • メディア: 単行本

 

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犬飼石仏
タグ:山岸 俊男
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