[第百十五段] 前略~
このぼろぼろという者は、昔はなかったのであろうか。近世になって、ぼろむじ・梵字・漢字などと言った者が、その始めだということだ。
世を捨ててしまったようでいて、執念が深く、仏道を志しているようで、喧嘩ばかりしている。勝手気ままで恥知らずの有様であるが、死ぬことを何とも思わないで、恬淡(てんたん)(あさっり)としている点が、気持ちよく思われて、人の話した通り、書きつけるわけである。
徒然草―現代語訳
吉田 兼好 (著), 川瀬 一馬
講談社 (1971/12)
P244
菅尾石仏
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