年をとればこんなもの [ものの見方、考え方]
病院通いの年寄りが多いのは、私たちの同業者が、「健やかに老いなければいけない」と脅し続けてきたせいもあります。
今、年寄りに対する「若さ」や「健康」の重圧には、かなりのものがあります。健康食品やサプリメントの売れ行きの凄さがそれを物語っているように思えます。
本来、年寄りは、どこか具合の悪いのが正常なのです。不具合のほとんどは老化がらみですから、医者にかかって薬をのんだところで、すっかりよくなるわけではありません。昔の年寄りのように、年をとればこんなものと諦めることが必要なのです。
大往生したけりゃ医療とかかわるな
中村 仁一 (著)
幻冬舎 (2012/1/28)
P6
P170
現在の日本人は若さにこだわり、「年のせい」を嫌って認めようとはせず、」発達したといわれる近代医療に過度の期待を持ち、老いを「病」にすり替えています。
~中略~
年寄りの不具合は、すべてが老化が原因か、老化がらみです。今さら、医者にかかって薬を飲んでみたところで、若返らせることは不可能ですから、根本的には、どうなるものでもありません。
しかし、治りたい一心で治そうと思ってやって来た医者のところで「年のせい」などという、にべもない言葉は、患者にとっては許せません。
もっとも、医療側も年寄りは大事な「飯の種」ですから、のど元まで出かかった言葉でも、ぐっと呑み込みます。
そして、さらに、老化にもっともらしい病名をつけ、発達した医療に頼れば何とかなるように煽り、期待を持たせます。
下手に、「年をとればこんなもの」と覚られようものなら、病院は潰れ、開業医は夜逃げを余儀なくされ、医療関係の失業者が町に溢れます。
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