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邦に道なきとき、富且つ貴きは恥なり [倫理]

 

一三 子曰わく、篤く信じて学を好み、死にいたるまで守りて道を善くす。
危邦には入らず、乱邦には居らず。天下道あるときは即ち見(あら)われ、道なきときは即ち隠る。
邦(くに)に道あるとき、貧しく且つ賤しきは恥なり。邦に道なきとき、富且つ貴きは恥なり。


~中略~


先生がいわれた。
「かたい信念をもって学問を愛し、死にいたるまで守りつづけて道をほめたたえる。危機をのぞんだ国家には入国せず、内乱のある国家には長く滞在しない。
天下に道義が行われる太平の世には、表にたって活動するが、道義の失われる乱世には裏に隠れる。
道義が行われる国家において、貧乏で無名の生活をおくるのは不名誉なことである。道義が行われない国家において、財産をもち高位に上るのは不名誉なことである」
泰伯篇


                  論語

           孔子 (著), 貝塚 茂樹

                       中央公論新社 (1973/07)

                       P223

論語 (中公文庫)

論語 (中公文庫)

  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1973/07/10
  • メディア: 文庫


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心が正しく愚直な生き方を貫いているなら、ほかに少々不足があっても、士と呼んでかまわない。
「論語」の(憲問篇)には、士たる者の「恥」について弟子の原憲(げんけん)から尋ねられた孔子は、「国に正義や礼節といった道徳が行き渡っているときに仕官して禄を受けるのはよいが、道徳が廃れているときに仕官して禄を受けるのは恥だ」(邦(くに)道有るときは穀す。邦道無きときは穀するは恥なり)と答えている。
 善政が行われている時代に運よく禄を得たとしても、大して役に立たないのは恥ずべきことである。ましてや君主が正しい政道をわきまえず、国が治まっていないのに君主を諌めることもできず、ただ禄を食(は)み続けて身を引こう思いもしないような臣は、これまた大いなる恥である。

石田梅岩『都鄙問答』 (いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ14)
石田梅岩 (著), 城島明彦 (翻訳)
致知出版社 (2016/9/29)
P61



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