べき分布 [言葉]
べき分布は、株価だけでなく、自然界のさまざまな現象を支配する確率法則で、正規分布とはまったく違う性質を持っています。
べき分布と正規分布の最大の違いは、平均や分散が存在しない場合があることです。
つまり、定義に基づいて平均や分散を計算すると、値が無限大になったり、一つに定まらなくなってしまう、というようなことが起きるのです。
また、平均だけ存在して分散が存在しないということもあります。
不透明な時代を見抜く「統計思考力」
神永 正博 (著)
日本経済新聞出版社; 改訂版 (2013/11/2)
P172
P180
アメリカのリーマンブラザーズという大手の投資銀行が事実上破綻し、世界経済が大混乱に陥ったことがあります。
投資のプロでも、予想外の出来事でそれまでの資産をすべて失うような事態が発生する背景には、べき分布の存在があります。
べき分布はワイルドな分布なので、現在の金融技術ではうまくコントロールできないのです。
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