村 [言葉]
日本国は、自分の支配下にはいった地域に国・郡・郷(最初は里)という行政単位を設定しましたが、東北北部はついにその枠組みに入らず、そこにある集落は日本国からは「村」と呼ばれていました。
「村」は中世まで公的な国制の外にある集落の呼称だったのです。
津軽・下北に郡ができて陸奥国の中に入るのは十二世紀以降のことです。ただ、日本国全体としては国・郡の制度は九世紀前半には確率・固定したとみられています。
そして、現在の東京・埼玉のあたりを武蔵国、主に神奈川県を相模国と呼ぶような、「国」の名前もその頃には確定していきました。
歴史を考えるヒント
網野 善彦(著)
新潮社 (2001/01)
P28
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