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分業 [言葉]



分業には作業の分割と職業の分化とがあり、それらは労働の生産力を増進させる最大の原因である。


国富論 (1)
アダム・スミス (著), 大河内 一男 (翻訳)
中央公論新社 (1978/4/10)
P9



興福寺 (13).JPG興福寺

P31
スコットランドのハイランド(スコトランド中部以北の高地地方のこと。おくれた農業を特徴とした)のような人里離れた地方に点在する孤立した家々や小さい村々では、農業者はだれも自分自身の家族のために、肉屋にもなり、パン屋にもなり、また酒屋にもならなければならない。

P39
分業がひとたび完全に確立すると、人が自分自身の労働の生産物によって満たすことのできるのは、かれの欲望のうちごく小さい部分にすぎなくなる。かれは、自分自身の労働の生産物のうち自分自身の消費を上回る余剰部分を、他人の労働の生産物のうち自分が必要とする部分と交換することによって、自分の欲望の大部分を満たす。
このようにして、だれでも、交換することによって生活し、いいかえると、ある程度商人となり、そして社会そのものも、まさしく商業社会とよべるようなものに成長するのである。

P68
私は散歩中に、自分の家を建てるという、ごく単純で、当たり前な仕事に従事している人に一度も出会ったことがない。
われわれは共同社会に属している。「仕立屋は九人集まって一人前」という諺があるけれど、これは仕立屋だけでなく、牧師にも商人にも農民にもあてはまる。
一体この分業はどこまでいったら終わるのだろうか?そして結局、どのような目的に役立つのか?
もちろん他人が私の代わりに、ものを考えてくれてもよいが、だからといって他人が私自身の考えを排除しようとするならば、望ましいことではない。

P76
必要な本を読み、自分が発掘して鎔かした鉱石から自分のジャックナイフを造った少年と、その間、研究所で冶金術の講義を聴いて、父親からロジャースの懐中ナイフ(英国のシェフィールドで造られる高級ナイフ)をもらった少年と比べた場合、一ヵ月後にどちらが知的進歩を遂げたであろうか?
どちらが自分の指を切る可能性が多いだろうか?
~中略~
貧乏な学生でさえ、政治経済学だけを学び、教えられているのに、哲学と同義語にあたる生活の経済学などは、わが国の大学で真面目に教えられたことはない。
その結果、学生はアダム・スミスやリカードやセーを読んでいるうちに、自分の父親は借金で火の車となっている。

P81
アーサー・ヤングその他、多くの農業に関する有名な書物に畏れることもなく、私が二年間の経験から学んだことは、もし人間が簡素な生活を営み、自分で栽培した作物だけを食べ、必要以上のものは栽培せず、しかも、その作物をわずかな量の贅沢品や値段の高い物と交換などしなければ、ほんの数ロッド(一ロッドは約二十五・三平方メートル)の土地だけ耕せばそれで十分であろう。

森の生活
D・ヘンリー・ソロー
(著), 佐渡谷 重信 (翻訳) (著)
講談社 (1991/3/5)







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