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西ヨーロッパは河川交易で発展した [国際社会]

 水上輸送(1)によって、陸上輸送だけで提供されるよりももっと広汎な市場が、あらゆる種類の産業に解放されるから、海岸で、また航行可能な河川に沿って、あらゆる種類の産業が自然に文化し、発達しはじめる。そしてそのような発達が、その国の内陸地方へと広がってゆくのは、ずっとのちになってからのことである場合が多い。
(1)ヨーロッパ文明の特色の一つは、アルプス以北では河川が最大の交通ネットワークをなしていることである。それらは四季を通じてほぼ同じ水量をたたえ、運河と同じ機能をもっているといっていい。
それゆえ西ヨーロッパに発生した市場経済は、主としてこのような河川交易を媒介に発展し、したがってまず河川の沿岸にそって技術と産業がつくりだされ、それがのちに内陸地方へと広がってゆく。


国富論 (1)
アダム・スミス (著), 大河内 一男 (翻訳)
中央公論新社 (1978/4/10)
P32


国富論 1 (中公文庫 D 20)

国富論 1 (中公文庫 D 20)

  • 作者: アダム・スミス
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1978/04/10
  • メディア: 文庫

 





興福寺 (14).JPG興福寺


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