自由貿易と保護主義はどちらも同じ [社会]
P38
マッキンダー(住人注;H・J・マッキンダー)は、ここで英国の伝統的な自由貿易論にたいしても鋭い攻撃を加えている。
英国流政治経済学もドイツの国民経済学も、帰するところ同じアダム・スミスである。
どちらも、たまたま一九世紀の主潮であるダーウィンの適者生存説に合致したために、流行したに過ぎない。
自由貿易も行きつくところは、結局他者の犠牲による独占体制の維持に落ち着かざるを得ないので、その点徹底した保護主義の理論となんら選ぶところがない
。
地政学入門―外交戦略の政治学
曽村 保信 (著)
中央公論社 (1984/01)
P38
タグ:曽村 保信 H・J・マッキンダー
コメント 0