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科学のブラックボックス化 [社会]


昔は、テレビの裏蓋を外すと、中に真空管が入っていて、我が家のは一七本入っている「一七極テレビ」でしたが、配線板も配線図も表示してあって、私のようなラジオ少年はその仕組みが大体分かったものです。けれど、今のテレビは「1千万トランジスタ」です。
今、テレビが壊れた、パソコンが壊れたといって、自分で直せる人がいますか?電気屋さんでも直せませんし、電子工学科の教授だって治せない。下手にいじれば壊してしまう。
直せるのはそのメーカーの限られた専門家だけです。科学が人々の生活から離れ、本来より難しいものになりつつあるのです。
 これを私は「科学疎外」と呼んでいます。
~中略~
 一般市民ばかりではありません。実は当の科学者自身でさえ、巨大化した科学の中で、研究が分業化、細分化されて、自分がしている研究が、一体どんな目的でなされているのか、その全貌が良く分かっていない場合が多いのです。

科学者は戦争で何をしたか
益川 敏英 (著)
集英社 (2015/8/12)
P76


P78
 つまり、科学のブラックボックス化が進んでいると言っていいでしょう。二一世紀に入り、我々の社会はますますブラックボックス化され、誰がどういう仕事を何のためにしているのかということが把握しにくくなってきています。
                                  


タグ:益川 敏英
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