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樹状細胞 [雑学]


人の体に病原菌やウイルスが侵入したとしよう。最初に反応するのは、食細胞と呼ばれるマクロファージで、病原体を見つけては相手を食い殺してくれる。
 樹状細胞も戦いの現場に現れ、長い食種を伸ばして病原体の断片を体の中に取り込んでいく。
しかしこの細胞は、戦場に長居はしない。マクロファージが外敵を食い殺すのを主眼としているのと違って、樹状細胞は病原体を捕まえたら血管やリンパ管を通ってリンパ節に達し、そこでヘルパーT細胞と出会って、病原体の断片を提示するのだ、抗原提示である。
 樹状細胞の抗原提示によってヘルパーT細胞が活性化すると、マクロファージにも抗原提示の働きが備わる。マクロファージもただ病原体を食い殺すだけの細胞ではない。ただし樹状細胞と違って常に戦いの現場にいるので、抗原提示への寄与は限定的だ。


現代免疫物語beyond 免疫が挑むがんと難病
岸本 忠三(著), 中嶋 彰 (著)
講談社 (2016/1/21)
P43



現代免疫物語beyond 免疫が挑むがんと難病 (ブルーバックス)

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  • 作者: 岸本 忠三
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/01/21
  • メディア: 新書







DSC_2332 (Small).JPG北海道大学


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