SSブログ

天川大弁財天社 [雑学]

鎌田東二は以下のように推測している。「開山の役行者は大峰山寺のある山上ヶ岳において厳しい修業に励んでいた折、最初に弁財天女を感応し、それを天河の地に祀ったという。
この伝承の意味するところは、役行者が一番先に感応した弁財天女とはその土地の最も古い主神であったということだろう。後に「弥山」と讃えられるようになる霊峰より流れ落ちてくる天(てん)ノ川(かわ)の水源として、豊富で浄らかな水を司るこの地のヌシ神と讃仰(さんぎょう)されてきた女神が天河の神なのだ。
その女神は、循環流動して生命を育み、天地をつなぐ媒体の神となる(鎌田東二「天川―その土地の力とスピリチュアリティ」「ひととき」二〇〇六年九月号、ウェッジ、一八-二〇頁)」。
まさにそのとおりであろう。ここにも大地母神信仰のかすかな脈動が感じとれるのである。
 日本の三大弁財天の一つに数えられているこの天河大弁財天社では、中央にその弁財天女、右に熊野権現、左に吉野権現(蔵王権現)が祀られており、神仏習合の形態をいまも色濃く残している。その社殿も小高くそびえる森(琵琶山)の上に建てられている。
ここは大峯修験の要(かなめ)の行場とされ、古来、高僧や修験者たちが集まったことでもよく知られており、空海のみならず、法然、親鸞、一遍、日蓮など、多くの名だたる高僧たちがこの地を訪れたという。

世界遺産神々の眠る「熊野」を歩く
植島 啓司 (著), 鈴木 理策=編 (著)
集英社 (2009/4/17)
P185





DSC_6351 (Small).JPG天河大弁財天社 


タグ:植島 啓司
nice!(5)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 5

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント