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人間の心の根底にあるのは「無力感」である [哲学]


 すべてを思いどおりにできない、望みは叶うことのほうがむしろ珍しい、自分1人では生きていけない―そんな具合に、赤ん坊のときから我々は無力感を痛感しつづけて成長してきている。
すると、それに対して人はどのように考えたり振る舞ったりすることになるのか。そこに、人それぞれの生き方や考え方が析出してくる。
 ある人は、無力感を克服するべく奮闘努力しがんばり抜き、しかし成功者となってもなお無力感を払拭できぬままうっ屈した気分で日々を過ごしているかもしれない。別な人は、無力感ゆえに努力も忍耐も放棄し、その場しのぎの無気力で怠惰な毎日を送っているかもしれない。~中略~
 もともとは「無力感」という切ないものからスタートしているにもかかわらず、成長していくうちに、どのように無力感を手なずけ飼い慣らすかで全然傾向の違った人柄ができあがっていく。
そのような多様性と不思議さとを、我々は念頭に置いておくべきだろう。

はじめての精神科―援助者必携
春日 武彦 (著)
医学書院; 第2版 (2011/12)
P012





DSC_2626 (Small).JPG一畑寺(一畑薬師)


タグ:春日 武彦
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