水急不流月(みずきゅうにしてつきをながさず) [ものの見方、考え方]
禅の世界では、月は「真理」を表します。
~中略~
「水急不流月」。「水の流れがどんなに急でも、水面に映る月まで流すことはできない」という意味。
水は、心を煩わす世の中の出来事、月は自分の心を表します。周りで起きていることや人の言動が心を惑わすものであったとしても、本来の自分は動くことはないと教えています。
「風吹不動天辺月(かぜふけどもどうぜずてんぺんのつき)」。この言葉もまた、なにがあっても微動だにしない月の孤高な姿を、人のあるべき姿と重ねています。
雲が流れるような強い風が吹いていても、月(真理)はびくともせずに煌々(こうこう)と輝いている。
怒らない 禅の作法
枡野 俊明 (著)
河出書房新社 (2016/4/6)
P116
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