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慢性炎症→線維化→発がん [医学]

 肝臓は比較的再生能の強い臓器なのですが、炎症が何年にもわたると、それにも限界がでてきます。また、慢性炎症の状態は臓器に線維化を引きおこします。
線維化というのは、線維芽細胞が増殖し、もともとあった細胞がなくなって、コラーゲンなどの線維成分が沈着するようになった状態です。
他の臓器では、たとえば肺繊維症とかいうように、○○繊維症という言葉が使われるのですが、肝臓の場合は、一般的には肝繊維症とはいわずに、肝硬変と呼ばれます。
 いずれのウイルス(住人注;B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルス)にも、発がんに直接関係する遺伝子があるわけではありません。長期間にわたって細胞の再生と炎症が継続されることにより、遺伝子に突然変異の生じることが、B型、C型肝炎ウイルスによる発がんの主たる要因とされています。
ですから、抗ウイルス薬でウイルス感染をなくしてやれば、かなり肝発がんも抑えることができるはずなのです。

こわいもの知らずの病理学講義
仲野徹 (著)
晶文社 (2017/9/19)
P293

こわいもの知らずの病理学講義

こわいもの知らずの病理学講義

  • 作者: 仲野徹
  • 出版社/メーカー: 晶文社
  • 発売日: 2017/09/19
  • メディア: 単行本

 

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