経済の本質は攻撃である [社会]
今も昔も、経済の本質は攻撃である。
経済する人は他者より少しでも多く富を得たい衝動に駆られてゆく。その衝動に駆られて、農耕する人々はさらなる耕作地の拡大を図っていった。
狩猟する人々の土地へ進出し、彼らを排除し、自分たちの人口を増やし、その土地を耕す。それは限度を知らない膨張であり侵略であった。
狩猟する人々は弓矢が得意で、山河を駆け巡り、戦いに優れていた。中国で狩猟する日本列島の人々が「東夷」と呼ばれたように、日本で「蝦夷」と呼ばれた人々は狩猟する人々であった。
その狩猟する人々の戦闘力に対抗するため、農耕する人々は蓄積した富で専門の武装集団を雇った。
武士の誕生であった。
その武士の最高指揮官として794年、初代の征夷大将軍・大伴弟麻呂が朝廷によって任命された。その征夷大将軍の官職名を有名にしたのが第2代目の坂上田村麻呂であった。
日本史の謎は「地形」で解ける
竹村 公太郎 (著)
PHP研究所 (2013/10/3)
P249
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